経歴詐称のリスクと防止策 前職調査(リファレンスチェック)で転職者の経歴詐称はわかる?

人事担当者にとっての悩みといえば、求人応募と採用効率ですね。総務省の労働力調査においても2016年以降、転職者数は増加しており300万人を超えて、転職市場が大幅に回復し売り手市場になりつつあると言います。
しかし、「求人応募が集まらない」という状態が回避できても採用したい人材と応募者のキャリアプランが合っているのか、選考に悩むのには変わりありません。スキルや人柄から期待をかけた人材が、業務内容のイメージ違いから転職から程なくしてまた転職してしまったのでは採用コストや人材育成コストもキリがありません。
選考時に注意したいポイントとして、経歴に偽りがないか?という点もあります。書類選考と数回の面接から汲み取ることのできる印象・情報は少ないため、職務経歴の詐称があるかどうかを人事担当者が確認する方法は一般的にはありませんでした。
そんな悩みを解消してくれるのが、今話題になっている前職調査(リファレンスチェック)です。今回は国内企業の導入も進んでいる前職調査(リファレンスチェック)について、経歴ドットインフォが解説いたします。
コンテンツ目次
中途採用時の職務経歴書、もしも経歴詐称があったらどんなリスクがある?
職務経歴書は、中途採用を行う際に欠かせない応募書類です。新卒採用では主に履歴書とエントリーシートが書類選考の対象となりますが、中途採用では履歴書と職務経歴書が主だった応募書類となります。
履歴書はもちろんのこと職務経歴書に万が一、経歴詐称があった場合、転職応募者にとっても採用企業にとっても、大きなデメリットやリスクがあります。
転職応募者が経歴詐称していた場合の採用企業のリスク
人事担当者で面接を担当した転職者の経歴や実績が万が一詐称されていた場合は、想定していた採用後の働きぶりと実際が異なり、チームの戦力に影響が出たり、早期の離職が発生してしまったりといったデメリットがあります。
人事部として、職務経歴書確認時のチェックの甘さを指摘されたり、配属先から新人教育時のクレームを受けてしまったりする可能性があります。そのような事態を防ぐためにも、職務経歴書の内容と面接した時との矛盾点を早めに見抜き、選考フローを工夫することが大切です。
もしも、営業実績やマネジメント実績を偽っていたり、受賞歴を詐称しているようなことがあれば転職後の働きぶりにも影響が生じかねません。
こうした事態を防ぐ手助けとなるのが、話題の前職調査(リファレンスチェック)です。
経歴詐称をしていた転職応募者のリスク
自分の経歴を偽って、詐称を行ってしまう転職者側にはさらに大きなリスクが発生する可能性は高いでしょう。転職活動で少しでも有利になるようにと、いわばサービストークのように盛ってしまった経歴が立派な経歴詐称となり、会社内で信用問題に発展し、詐称の内容の重要度によっては解雇になることもあります。
さらに、一度経歴詐称が発覚してしまうとそれが業界全体に行き渡ってしまい、同業他社へ転職を検討してもなかなか採用につながらないなどの事態を引き起こす場合もあるのです。転職で成功するために軽い気持ちで経歴を偽ってしまうと、それが取り返しのつかない事態を招いてしまいます。
仮にリファレンスチェックを実施していない企業を調べて応募先に選んだり、選考段階でリファレンスチェックを辞退したりと上手く隠し通せたつもりでも、経歴詐称は前職からつながる社会保険の日付や、人とのつながりなどの些細なことであっさり発覚してしまうものです。無用なリスクを避けるためにも、危険性を認識して職務経歴詐称を行わず、正しい職務経歴や実績に基づいて転職活動を行うようにしましょう。
たとえば、キャリアプランやビジョン、5年後・10年後にどんな人物になっていたいかといった未来の展望については想いのたけを選考時にアピールして問題ありませんが、これまでどんな仕事をしてきたかという事実については嘘偽りなく伝えるのがベストです。
人事採用時の経歴詐称を防ぐには?前職調査(リファレンスチェック)で正しい情報がわかる?
リファレンスチェックとは前職調査とも呼ばれ、中途採用を行う企業側が、応募人材の紹介者を通して選考段階にある転職者の前職内容を調査するものです。例えば転職者が前職でどのような仕事を行っていたのかは、もちろんチェックの対象になります。
そのほかにも、面接の時に転職者が説明していた内容と前職の職務内容が一致するか、職務経歴書に記載されている内容に職務経歴詐称はないか、なども細かくチェックしていきます。外部からの客観的な調査というだけでなく、転職者が在籍していた前職の企業関係者に業務内容についての確認を取ることが特徴です。
外資系企業をはじめ、国内外で多くの企業がこのように採用前に細かなリファレンスチェックを行う理由のひとつは、転職者の経歴詐称と早期離職を防ぐためです。先に述べたように、自分の職務経歴を詐称した状態で入社することは大きなリスクを伴います。
例えば実際に経歴詐称をして入社すると、業務内容のレベルについていくことができず、結局離職してしまうということがあります。中途採用は新卒採用に比べても離職率が高く、新卒と比較するとなんと5倍にもなると言われています。せっかく面接を行って新たに人材を確保するのですから、なるべく長く勤務してもらいたいのはどの企業も同じです。
そこで、リファレンスチェックを行うことは、有能なだけでなく長期的に勤務してくれる人材を見つける可能性につながるのです。
中途採用の選考時に前職調査(リファレンスチェック)を実施するメリット
企業側が転職者を採用する前にリファレンスチェックを実施することで、いくつかのメリットがあります。
- 応募者の職務経歴詐称が防止できる
- 人事担当者が客観的な採用選考が実施できる
- すべての応募者をフェアに選考できる
- 採用後・入社後の価値観の共通認識が持てる
一つ目のメリットは、やはり職務経歴詐称をしている転職者を採用する前に見つけることが可能なことでしょう。採用前に見つけることでトラブルを未然に食い止めることができます。
二つ目のメリットは、応募してきた転職者を客観的に見ることができることです。職務経歴書や面接は転職者がアピールをする場ですので、どうしても主観的な視点に偏りがちです。しかし、リファレンスチェックを実施することで、転職者が面接で語らなかった意外な一面を客観的に知ることができます。
例えば、「内向的な性格に見えたが面倒みが良くチームからの信頼が厚い人材だった」というケースや、「とても意欲的な人材に見えたが、過度にタスクを抱えやすくタスク管理に課題がある人材だった」というケースに選考段階で気付くことができるのは大きなメリットです。
もうひとつ、三つ目のメリットは公正な選考が可能になることです。転職者が職務経歴詐称を行っていると公正な選考ができませんが、リファレンスチェックを行うことですべての転職者を客観的に見て判断することができ、公正な選考が行いやすくなります。
経歴詐称をして転職活動を優位に進めてしまうことがまかり通ってしまうと、ほかの求職者にとってはフェアではありません。
最後に、四つ目のメリットは企業側・転職者側の間で価値観のすり合わせができることです。たとえ経歴詐称をしていなくても、実際に入社してから人間関係や労働条件の認識のずれがモチベーションの低下や早期離職の原因につながることがあります。
採用前にリファレンスチェックを行うことで、転職者のこれまでの業務内容や労働条件なども確認できますので、ある程度の仕事の考え方や採用条件のずれを防ぎ早期離職を防ぐことができます。
このように、リファレンスチェックは経歴詐称を防ぐ他にも多くのメリットがあるため、近年の実施企業が増加しています。
採用担当者が見やすく伝わりやすい職務経歴書の書き方
応募者にとっての職務経歴書や履歴書は、本人の顔だと言っても差支えのない重要な書類です。そのため、内容は正確さを重視し、見やすいものにするよう心がけましょう。職務経歴書や履歴書が見やすいと人事担当者にも自分の人柄が伝わりやすくなります。
前職の雇用形態や業務内容など、これまでの自分の経歴で記憶が曖昧になっているものは、つい「適当に書けばいい」と思ってしまう人もいるかもしれません。しかし、事実と異なることを記入して提出することは、本人にそのつもりはなくても職務経歴詐称につながってしまいます。思わぬ経歴詐称を起こさないためにも、正確性を重視し作成後にチェックしてもらうと安心です。転職エージェントによっては、こうした職務経歴書のチェックや添削を行っているところもありますので活用しましょう。
人事担当者は転職者の職務経歴書を確認する時に、学歴や前職の回数・在籍期間・雇用形態、業務内容や資格などをチェックしています。そのため、これらの経歴に間違いがあると経歴詐称だと判断され、選考の際に非常に不利になる可能性は否定できません。たとえ詐称するつもりはなかったとしても、転職するために重要な書類を適当に作成するような人物と見なされてしまうこともあります。
自分の能力を正確に評価してもらうためにも、職務経歴書を記入する時は、事実と相違ない内容を記入するように心がけて作成しましょう。
経歴詐称のリスクと経歴詐称防止リファレンスチェックのまとめ
経歴詐称をして転職活動を行うリスクは?
履歴書や職務経歴書、面接での自己紹介などで前職の経歴や業績・受賞歴などを故意に詐称すると、転職先の人事部署は正しい採用選考や採用後の正しい配置・研修ができなくなります。前職での働き方や人となりを知るためにリファレンスチェック実施の同意を求められた際に、経歴詐称を行っている方は拒否する傾向が高く意図しない足切りに合う可能性もあるため、印象を良くしたいと考えても経歴詐称をしないよう意識しましょう。
中途採用の候補者の経歴詐称を防ぐには?
経歴ドットインフォでは採用候補者の同意を得て行うリファレンスチェック(前職調査)を実施しています。採用候補者を選考中の求人企業が、同意を得て採用候補者の前職上司・部下・同僚など指名された関係者に対してこれまでの仕事についてヒアリングを行い、個人情報をマスキングされた調査結果を受け取るもので仮に経歴を詐称している場合、回答内容に矛盾や齟齬が生じる可能性が高くなります。
中途採用にリファレンスチェック(前職調査)を導入するメリットは?
中途採用人材の経歴詐称を防ぐことができ、すべての応募者を公正に選考することができるのが大きなメリットです。また、選考書類や面談・面接では分からなかった働きぶりや仕事に求める傾向を入社前に把握しやすいため、入社後の配置や研修が組み立てやすいのもポイントです。相互にイメージ違いが減らせるため、結果的に社員の早期離職防止にもつながります。
中小企業の前職調査(リファレンスチェック)は経歴ドットインフォで
経歴.infoは、職場の離職率改善や人材採用効率化に悩む人事担当者のために生まれたオンライン完結型のリファレンスチェックです。やみくもに転職応募者の経歴詐称を疑うのではなく、前職での働きぶりや人柄にフォーカスし、採用予定者から指名されたヒアリング先に前職調査を行うことで面接だけではわからない求人応募者の人となりを認識しやすくすることを目的としています。
「また退職者が出てしまった」「引き継ぎの後任人材が採用できない」「キャリアプランの希望と実務内容が違うと後から言われてしまった」「今回採用する人材は、長く定着してくれるだろうか…」そんなお悩みを持つ中小企業にこそ、前職調査・リファレンスチェックをおすすめします。
すべては、会社の笑顔のために。一緒に働けるチームを作るために。リファレンスチェックなら、経歴.infoにおまかせください。
経歴.infoのリファレンスチェック(前職調査)料金一覧
1名分実施
(前職調査未完了時)
1人あたり
3名分実施
(前職調査未完了時)
1人あたり
6名分実施
(前職調査未完了時)
1人あたり
10名分実施
(前職調査未完了時)
経歴.infoはリファレンスチェックを手軽に1回だけでも、まとめてでも導入できるのがポイント。人事採用が頻繁ではなく、不定期だからこそ精度を高めたい企業におすすめです。
人事担当者の方へおすすめの採用効率化コラム
- 離職率は何%が高い?企業の平均離職率と定着率の計算方法・対策
- ラポールとは?ビジネスでも注目の関係性構築スキルを人事向けに解説
- フィードバックとは?人材育成に効果的な手法と注意点を解説
- OKR・SMARTの法則とは?人事も注目の目標管理手法の特徴とKPI・MBOとの違い
- ジョブディスクリプションとは?ジョブ型雇用で注目の職務記述書のポイント
- ロジカルシンキングとは?人事も注目の論理的思考力の鍛え方
- インテグリティとは?人事も重視する誠実さの重要性と評価方法
- OJTとは?人事で再注目のOJT研修・メンター選びのポイント
- アンガーマネジメントとは?人事が抑えておきたい怒りの感情管理とアンガーマネジメントスキルの重要性
- エンパワメント(エンパワーメント)とは?人事が抑えたいビジネススキル エンパワメントの強み
- レジリエンスとは?採用・研修でも注目の適応能力・回復力の鍛え方/高める方法
- PDCAはもう古い?人事向けPDCAサイクル・OODAで変化に強い組織へ
- オンボーディングとは?中途採用人材にも実施したいサポートとプロセス
- コンピテンシーとは?人事評価で知っておきたいコンピテンシー評価
- 従業員エンゲージメントとは?ポイントと改善方法・中小企業向けES調査
- 企業コンプライアンスとは?気をつけたい法令遵守・SNSリスク・社員のコンプライアンス意識
- 身辺調査とリファレンスチェックの違いは?調査目的・同意の違い
- 採用トラブルを防ぐ!リファレンスレターとは?採用推薦状の書き方
- 人材管理が飛躍的向上!人事システム比較と導入前チェック項目
- 人事DX・HRDXがまだなら抑えたい!採用効率化のポイント
- 平均勤続年数が長い・短い企業の特徴は?計算方法&ランキング
- トライアル雇用とは?助成金とメリット・採用の流れを解説
- リファレンスチェック・前職調査のよくある質問集
- 退職理由を人事に活かす!退職者アンケート(エグジットサーベイ)とは?
キーワードから探す採用効率化コラム