PDCAはもう古い?人事向けPDCAサイクル・OODAで変化に強い組織へ

中小企業の人材採用効率化を応援する経歴.infoでは、これまで人事DXや採用手法・人事評価のトレンドなどを紹介してきました。今回は、新しい考え方も広がっているPDCAサイクルについて解説していきます。
コンテンツ目次
PDCAはもう古いのか?PDCAサイクルとは
ビジネスにおいて、生産管理や品質管理等の管理業務の改善を継続的に行う代表的な手法がPDCAです。そして、継続的に改善を繰り返す行為のことを「PDCAサイクル」といいます。
PDCAは既に古いとも言われていますが、その背景を読み解くにはまずそれぞれのアルファベットに意味と役割を理解しておく必要があります。
PDCAの意味と役割(Plan/Do/Check/Action)
- P(Plan):計画
目標の設定、目標を達成するための計画を考える - D(Do):実行
Pの計画通りに実行し、実行した記録を残す - C(Check):評価
目標に対しての達成度、実行した行動を分析する - A(Action):改善
Cで明確にした分析結果をもとに、今後の行動や対策の必要性を考える - PDCAを1度で終わらせず、継続することでPDCAサイクルへ
PDCAサイクルによる業務改善のメリット
メリットとしてPDCAサイクルをうまく回せば、やるべきことが明確になり無駄が発生しづらくなります。さらに、社員が一丸となり継続的に改善を繰り返すことで企業が成長し続けることができます。
ここで気を付けたいのが、PDCAサイクルを回すこと自体が目的になってしまうことです。あくまでも目的は「業務改善」ということを忘れないようにすることが重要なポイントです。
PDCAが古いと言われる背景
そんな改善手法の代表格のPDCAですが、一部では「もうPDCAは古い」と言われるようになってきています。その1番の理由に「P」つまりPlan(計画)に時間をかけすぎてしまい、改善のスピード感がないからというのがあります。
最初の計画段階で時間をかけすぎてしまい、計画を実行しようとしたときには顧客のニーズや価値観が変化し、意味のないものになってしまう可能性があるためです。後述する手法では、このPDCAの弱点をカバーしたサイクルが特徴となっているのであわせてチェックしてみてください。
PDCAとPDS・PDRの違いは?
なお、PDCAと似た言葉に「PDS」や「PDR」などがあります。
PDSとはPlan(計画)、Do(実行)、See(結果の検証)のことです。PDCAと違って「改善」の過程がない分、スピード感が出せます。比較的小さな規模の業務に適しています。また、PDRとはPreparation(準備)、Do(実行)、Review(評価)のことです。こちらもシンプルでスピード感の出しやすい特徴があります。
注意点として3ステップをしっかり切り分けて混同させないようにする必要があります。
PDCAから進化した業務改善手法、OODA・STPD・DCAP・PDSA・SDCA
業務改善手法として他にも、PDCAを進化させた手法が多くあります。すべてを覚える必要はありませんが、それぞれの特徴と考え方について確認しておきましょう。
- OODA
- STPD
- DCAP
- PDSA
- SDCA
- CAPD
OODA(Observe/Orient/Decide/Act)
OODAは、Observe(観察)、Orient(方向付け)、Decide(意思決定)、Act(実行)の4つから成り立ちます。PDCAとは目的が異なり、OODAでは「意思決定」が目的になります。現状を観察し、目的を達成するために最善の判断は何かを考え、実行する流れです。
組織に関わる判断を下すため、常に経営陣や各部署のトップの存在が必要不可欠になるのが注意点です。
STPD(See/Think/Plan/Do)
STPDは、See(見る)、Think(考える)、Plan(計画)、Do(実行)の4つから成り立ちます。Planから始まるPDCAと比べ、見て考えるところから始まるSTPDではスピード感が出しやすく新たな事業の初期段階や小さな規模の改善に適しています。
評価の過程がないので、実行の過程で細かな軌道修正が必要になってくるのが注意点です。
DCAP(Do/Check/Action/Plan)
DCAPは、Do(実行)、Check(チェック)、Action(改善)、Plan(計画)の4つから成り立ちます。PDCAの順序を入れ替えたパターンのものです。まだ分からないことが多い場合や変化の多いことに取り組む場合に適しています。まずは実行し、経験から学んだことを基に改善していく手法です。
1つのミスが大きな損失に繋がりかねない危険があり、小さなミスも許されない環境となるのが注意点です。
PDSA(Plan/Do/Study/Action)
Plan(計画)、Do(実行)、Study(研究)、Action(改善)の4つから成り立ちます。PDCAでは失敗したところに的を絞って改善策を考えることが前提となっていますが、PDSAでは失敗しても成功しても改善に繋げていくという考え方の手法です。
改善策を考える数が増えるので、スピード感が出づらいのが注意点です。
SDCA(Standardization・Standardize/Do/Check/Action)
SDCAは、Standardize(標準化)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の4つから成り立ちます。改善した成果を標準化し定着させるのがSDCAの目的です。標準化により改善しても後戻りしてしまうことを防ぐ効果があります。
改善の効果を維持しながら着実に次の改善を行えますが、スピード感が出しづらいのが注意点です。
CAPD(Check/Action/Plan/Do)
CAPDは、Check(評価)、Action(改善)、Plan(計画)、Do(実行)の4つから成り立ちます。DCAPと同様、PDCAの順序を入れ替えたパターンのものです。改善をスムーズに進めるためにまずは評価し、改善をしてしまいます。その次に計画を練り実行に移ります。評価や分析を先に済ませておくことで現状をよく理解した上で計画を練ることができるようになります。
ただし、初めに行う評価や分析を高精度で行わないとその後の計画に大きな影響を与えてしまうので注意が必要です。
PDCAサイクルに代わる業務改善手法で注目されるOODA・OODAループとは
数多くある業務改善手法の中でも人事向けPDCAサイクルとして有効な手法だと注目を浴びているのが「OODA」です。意思決定をすることに重点を置きスピーディーに何度も実行することで様々な施策にチャレンジすることができます。OODAを繰り返すことを「OODAループ」といいます。
OODAループはビジネス環境の変化が激しくなっている時代だからこそ、その真価を発揮しています。問題の対応しやすさが上がる、方向付けの際に役立つ、試行錯誤の習慣が身につくなど変化に強くなるためのメリットが多くあるOODAは中小企業の人事部門でも導入されています。
OODAの業務導入方法
OODAを導入するためには、大きく分けて3つのことに注意する必要があります。
どうなりたいか、ビジョンを共有しておく
目標の設定、ビジョンの共有を行っておくと部門全員がその目標をしっかり見据えて理解した上でOODAが実行されます。明確な方向付けがされた結果、設定されたビジョンに近づけるような施策が出やすくスピード感ある対応が可能になります。
仮説の立案
OODAを実行する前には仮説が必要です。まずは課題に対する仮説を立案し、簡単に実現できるものを実行します。その様子をObserve(観察)し、OODAループを有効に回すための材料とします。
議論の機会を多く持つ
OODAを導入する際には、目標やビジョンに対して議論する機会を多く持ち、より洗練された目標やビジョンを全員が納得した状態でスタートできるようにします。その結果、改善にさらなるスピード感を出せることが期待できます。
このように、業務改善サイクルはさまざまな手法が登場していますが、効率的に導入するには専門ツール・サービスを利用するのもポイントです。人事向けの場合、テレワーク環境でも業務効率化に役立つ人材管理ツールやオンライン採用時のリファレンスチェックなども導入が進んでいます。
月額費用無料のリファレンスチェック
完全同意型のオンライン前職調査とは
リファレンスチェックは、採用担当者にとっても転職者にとってもメリットが多いポジティブなものです。
求人企業・人事担当者のリファレンスチェックのメリット
求人採用のミスマッチを減らせる
まず採用担当者にとって大きなメリットになるのが、採用ミスマッチを減らせることでしょう。採用担当者は、企業が求めている人材と応募者がマッチしているかを見抜かなければなりません。
しかし、書類選考時の履歴書や職務経歴書・ポートフォリオなどの書類と、面接の志望動機などの限られた情報だけで、それを見抜くのは難しいでしょう。そういったときにリファレンスチェックを行うことで、応募者の働きぶりを知る第三者からの評価情報を得ることができるため、企業が求める人材とマッチしているかをより正確に判断することができます。
採用効率をアップできる
また、転職活動・採用活動を効率化できるのもリファレンスチェックのメリットの一つです。多くの応募人材の中から、欲しい人材にマッチした候補者を選別するのは簡単なことではありませんし、選考が進んだ人材の受け入れ体制や育成には企業にとっても大きな負担がかかります。
採用の選考段階でリファレンスチェックを行えば、人事配置や内定を交付する前に求人像とのミスマッチを防いで業務プランを立てやすくなるので、採用活動がスムーズに進み採用担当者の負担も減ります。
転職希望者のリファレンスチェックのメリット
SPIなどの適性検査と違って、前職のことを調べられるということにはネガティブなイメージを持つ転職者もいるかもしれませんが、リファレンスチェックは転職者にも大きなメリットがあります。
まずリファレンスチェックは、転職者のネガティブな情報を集めるためではなく、あくまでも理解を深めるために行われるものです。
転職活動においては、面談・面接などで自己PRする機会がありますが、それだけでは自分の魅力が十分伝わらないこともあるでしょう。緊張してしまって、思ったように面接でこれまでの働きが伝えられないこともあります。
そういったときでも、リファレンスチェックを受けることで、緊張していない普段の働きぶりを知る第三者から見た自分の魅力やアピールポイントを採用担当者に伝えることができるのは大きなメリットです。もちろん、適切な方法で行えば違法性はなく、企業と転職者双方に多くのメリットがあります。
もし、転職活動の応募時にリファレンスチェックについて聞いていなかった企業で、選考段階でリファレンスチェックを受けて欲しいと伝えられても「疑われているのだろうか」と思わず、ぜひ正しく活用してください。
前職調査(リファレンスチェック)は必ずできる?同意について確認しよう
繰り返しになりますが、リファレンスチェックは応募者の同意を得て実施することが必須条件です。そのため、求人応募する時にリファレンスチェックへの同意を条件にしている企業もあるのは先に述べたとおりです。
また、選考を行う際の採用フローに、リファレンスチェックが組み込まれているケースもあるので、求人を探す時にはしっかりチェックしておきましょう。転職者の中には、リファレンスチェックに同意することに抵抗がある方もいるかもしれません。しかし、リファレンスチェックを受けたからといって、不利になるわけではありません。リファレンスチェックがどういったものかをしっかり理解すれば、転職者にとっても求人企業にとっても、メリットが大きいものだということが分かるでしょう。
そのため、まだ誤解を与えたりネガティブなイメージを持たれることもあるリファレンスチェックが本来どういうものかを、応募者に正しく理解してもらい、選考に前向きになってもらえるように働きかけることが大切です。
リファレンスチェックがおすすめの企業・おすすめできない企業
リファレンスチェック向きの企業 | リファレンスチェックに不向きの企業 |
---|---|
SPI・適性検査やスキルチェックなどの選考を採用フローに組み込んでいる企業 | 人材選考を履歴書・職務経歴書の書類選考と面接のみで実施している企業 |
応募者にリファレンスチェックへの同意を得ることができる企業 | 検討人材にリファレンスチェックの同意を得ることが難しい企業 |
人材採用後の配置や研修プランを計画的に組み立てたい企業 | 人材採用後の配置や研修プランは採用後にOJTのみで実施したい企業 |
中小企業の前職調査(リファレンスチェック)は経歴ドットインフォで
経歴.infoは、職場の離職率改善や人材採用効率化に悩む人事担当者のために生まれたオンライン完結型のリファレンスチェックです。やみくもに転職応募者の経歴詐称を疑うのではなく、前職での働きぶりや人柄にフォーカスし、採用予定者から指名されたヒアリング先に前職調査を行うことで面接だけではわからない求人応募者の人となりを認識しやすくすることを目的としています。
「また退職者が出てしまった」「引き継ぎの後任人材が採用できない」「キャリアプランの希望と実務内容が違うと後から言われてしまった」「今回採用する人材は、長く定着してくれるだろうか…」そんなお悩みを持つ中小企業にこそ、前職調査・リファレンスチェックをおすすめします。
すべては、会社の笑顔のために。一緒に働けるチームを作るために。リファレンスチェックなら、経歴.infoにおまかせください。
経歴.infoのリファレンスチェック(前職調査)料金一覧
1名分実施
(前職調査未完了時)
1人あたり
3名分実施
(前職調査未完了時)
1人あたり
6名分実施
(前職調査未完了時)
1人あたり
10名分実施
(前職調査未完了時)
経歴.infoは、初期費用・固定費完全無料でリファレンスチェックを手軽に1回だけでも、まとめてでも導入できるのがポイント。人事採用が頻繁ではなく、不定期だからこそ精度を高めたい企業におすすめです。
人事担当者の方へおすすめの採用効率化コラム
- 離職率は何%が高い?企業の平均離職率と定着率の計算方法・対策
- ラポールとは?ビジネスでも注目の関係性構築スキルを人事向けに解説
- フィードバックとは?人材育成に効果的な手法と注意点を解説
- OKR・SMARTの法則とは?人事も注目の目標管理手法の特徴とKPI・MBOとの違い
- ジョブディスクリプションとは?ジョブ型雇用で注目の職務記述書のポイント
- ロジカルシンキングとは?人事も注目の論理的思考力の鍛え方
- インテグリティとは?人事も重視する誠実さの重要性と評価方法
- OJTとは?人事で再注目のOJT研修・メンター選びのポイント
- アンガーマネジメントとは?人事が抑えておきたい怒りの感情管理とアンガーマネジメントスキルの重要性
- エンパワメント(エンパワーメント)とは?人事が抑えたいビジネススキル エンパワメントの強み
- レジリエンスとは?採用・研修でも注目の適応能力・回復力の鍛え方/高める方法
- PDCAはもう古い?人事向けPDCAサイクル・OODAで変化に強い組織へ
- オンボーディングとは?中途採用人材にも実施したいサポートとプロセス
- コンピテンシーとは?人事評価で知っておきたいコンピテンシー評価
- 従業員エンゲージメントとは?ポイントと改善方法・中小企業向けES調査
- 企業コンプライアンスとは?気をつけたい法令遵守・SNSリスク・社員のコンプライアンス意識
キーワードから探す採用効率化コラム