インテグリティとは?人事も重視する誠実さの重要性と評価方法
リファレンスチェックで中小企業の人材採用効率化を支援する経歴.infoでは、これまで採用手法・人事評価のトレンドや話題のビジネススキルなどを紹介してきました。今回は、人材評価などでも注目されているインテグリティについて解説していきます。
コンテンツ目次
インテグリティとは?インテグリティの意味と重要性
近年、人材獲得や社員育成の現場で「インテグリティ」が注目を浴びています。まだ聞き慣れない人も多い言葉なので、インテグリティの意味合いやポイントを抑えておきましょう。
インテグリティ(integrity)とは
インテグリティは、誠実・正直・高潔・品位・真摯などと訳されます。企業は利益を追求する組織ですが、その中にあっても、社会的な責任を遂行し、倫理観を大切にする姿勢を持つのにインテグリティは役立ち、欧米の企業を中心に浸透してきています。
ドラッカーがマネジメントの重要資質としたインテグリティ
インテグリティという概念を最初に取り上げたのは、経営学の名著『マネジメント』を執筆したドラッカーだといわれています。ドラッカーは、インテグリティこそが組織の上に立つものやマネジメントに欠かせない重要な資質であると述べています。
では、インテグリティを持つ人で成り立っている組織と、そうでない組織ではどんな違いが出てくるのでしょうか。
インテグリティの有無が組織に及ぼす影響
インテグリティを持つ人と組織の特徴
インテグリティを持つ人は正義感があり、裏表がありません。目先の利益や私利私欲ではなく、他者、ひいては世の中全体に対して誠実な行動ができます。企業の組織の中にインテグリティを持つ人材が豊富であれば、取引先にも、上司・部下を含む社内のスタッフに対しても真摯に接することができるため、健全な組織運営が可能になります。
インテグリティを持たない人と組織の特徴
対して、インテグリティを持たない人が大半を占める組織は批判的で、ミスや弱みに着目するなど、働く者が委縮する雰囲気が漂うかもしれません。こうなると、優秀な人が辞めてしまったり、仕事へのモチベーションを保つことが難しくなり、組織の弱体化につながります。経営や企業運営を考えるとインテグリティマネジメントは重要で、人事採用や社内浸透の面で重きが置かれているのは当然といえるでしょう。
インテグリティを重視する企業では、人柄採用にフォーカスしたり、応募者の人となりを理解するのに役立つリファレンスチェックを実施するケースも目立ちます。
インテグリティが求められる人材は経営層・管理職
経営者とインテグリティ
インテグリティが特に求められるのは、経営者です。経営者は、企業運営をするうえで、コアな部分の意思決定を行う重要な役割を果たします。企業のトップがインテグリティを持っていれば、自分の好みや感情ではなく、公平性や効果を意識して決定を下すことができるはずです。ステークホルダー全体の利益を考えて行動することで、企業を取り巻く人々からの信頼感が高まるに違いありません。
管理職とインテグリティ
また、マネジメント業務を行う管理職にもインテグリティが必要です。管理職は、経営陣に近いポジションにあり、社内で大きな決定権を有しています。そうした立場にある人が部下に過度なノルマを設定したり、ハラスメントなど不誠実な行動をとるようになると、従業員が問題行動を起こす場合があります。インターネットが発達した昨今、SNSを使って企業を批判する言動や内部告発をしたり、会社の信用を貶める動画を公開するケースも出てきているのは周知の事実です。
組織全体の健全性を保つには、組織のベースになる部分で働いている人への誠実な態度が不可欠で、管理職のインテグリティが問われます。
インテグリティとコンプライアンス・倫理観の違い
インテグリティと混同されやすいビジネス用語として、コンプライアンスが挙げられます。コンプライアンスは「法令順守」を意味し、守るべきルールという意味合いが強くなります。能動的に行動するインテグリティとは一線を画す言葉といえるでしょう。
また。インテグリティは倫理・倫理観とも若干異なっています。倫理というと善悪の判断が必要になりますが、完全性の意味合いを持つインテグリティは、善悪を超えたところにある考え方だからです。
インテグリティは、もともと兼ね備えている資質もありますが、社員教育などを通じ、後天的に身に着けることも可能です。インテグリティは、コンプライアンスや倫理、資質などと相まって、組織を良い方向に向かわせることができます。
企業コンプライアンスについては、以下の記事でも解説しているので参考にしてみてください。
インテグリティを持つ人材育成を行うには?
花王・伊藤忠グループのインテグリティ事例
インテグリティを社内浸透させるには、まずは企業としての姿勢や方針を示すことが重要です。
その点を実践する企業の一つである花王株式会社では、「花王サステナビリティ」というオリジナルの冊子を作成し、持続可能な社会を実現する意欲を明言しています。それとともに、従業員からの相談やコンプライアンス通報を受け付ける窓口を設置し、真摯に向き合う姿勢を打ち出しています。
伊藤忠グループは、企業の行動基準として誠実・情熱・多様性・先見性などを掲げ、経営層自らインテグリティの重要性を示しています。こうしたケースでは企業のトップが自ら方針や方向性を見せたうえで、インテグリティを評価する仕組みを作ることができるのが特徴です。
人事ツールを活用したインテグリティ評価も
インテグリティを評価するのに役立つツールの一つとして、「あしたのチーム」のサービスが挙げられます。こちらの会社が提供する「あした式人事評価シート」は、人事評価のノウハウを知るのに役立つはずです。企業名やメールアドレスを登録するとダウンロードできるので、サービス利用に先立ち、検討するとよいかもしれません。インテグリティに関連して、従業員のやりがいや働きがいを向上させる仕組み作りも大事です。
あしたのチーム
業界シェアNo.1。 人事評価クラウドで、みんなの「納得」を実現。
また、クラウドサービス「THANKS GIFT」は、従業員とのつながりやコミュニケーションを活性するのに役立ち、実際に、従業員の定着率向上を達成した企業もあるようです。
THANKS GIFT サンクスギフト|ありがとうが組織を強くするエンゲージメントクラウド
THANKS GIFTは組織の生産性向上やエンゲージメント向上を目的とした、クラウドサービスとコンサルティングサービスです。感謝を贈り合うことで社内コミュニケーションを活性化させ、社内文化を醸成でき組織や社内の生産性向上、エンゲージメント向上に寄与します。
インテグリティに特化した研修・セミナー
インテグリティを前面に出した研修も出てきています。株式会社ビヨンドは、課長や部長クラスを対象としたマネジメント研修「インテグリティ」を提供しており、ドラッカーが推奨するインテグリティの考え方を理解し、実践する方法を学ぶことができます。株式会社パソナでも、インテグリティを題材にしたセミナーや交流会を開いています。
採用時にインテグリティの第三者評価が得られるリファレンスチェック
インテグリティ対策にはさまざまな方法がありますが、人材育成を行うゆとりがあまりない中小企業ではすでにインテグリティを持つ人を採用したいと考えることもあるでしょう。
インテグリティを持つ人材を採用したい場合、履歴書や職務経歴書、エントリーシートなど書類だけで見極めるのは危険です。むしろ、面接の際にインテグリティを確認する質問を用いることができます。問題となる場面に直面した場合、どのような行動をとるかといった問いかけをすると、応募者が持つ意識が見えてくることでしょう。
また、前職の同僚や上司などからヒアリングを行って、応募者のこれまでの働き方を見極められるリファレンスチェックを利用するのも良い方法です。
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リファレンスチェックは、採用担当者にとっても転職者にとってもメリットが多いポジティブなものです。
求人企業・人事担当者のリファレンスチェックのメリット
求人採用のミスマッチを減らせる
まず採用担当者にとって大きなメリットになるのが、採用ミスマッチを減らせることでしょう。採用担当者は、企業が求めている人材と応募者がマッチしているかを見抜かなければなりません。
しかし、書類選考時の履歴書や職務経歴書・ポートフォリオなどの書類と、面接の志望動機などの限られた情報だけで、それを見抜くのは難しいでしょう。そういったときにリファレンスチェックを行うことで、応募者の働きぶりを知る第三者からの評価情報を得ることができるため、企業が求める人材とマッチしているかをより正確に判断することができます。
採用効率をアップできる
また、転職活動・採用活動を効率化できるのもリファレンスチェックのメリットの一つです。多くの応募人材の中から、欲しい人材にマッチした候補者を選別するのは簡単なことではありませんし、選考が進んだ人材の受け入れ体制や育成には企業にとっても大きな負担がかかります。
採用の選考段階でリファレンスチェックを行えば、人事配置や内定を交付する前に求人像とのミスマッチを防いで業務プランを立てやすくなるので、採用活動がスムーズに進み採用担当者の負担も減ります。
転職希望者のリファレンスチェックのメリット
SPIなどの適性検査と違って、前職のことを調べられるということにはネガティブなイメージを持つ転職者もいるかもしれませんが、リファレンスチェックは転職者にも大きなメリットがあります。
まずリファレンスチェックは、転職者のネガティブな情報を集めるためではなく、あくまでも理解を深めるために行われるものです。
転職活動においては、面談・面接などで自己PRする機会がありますが、それだけでは自分の魅力が十分伝わらないこともあるでしょう。緊張してしまって、思ったように面接でこれまでの働きが伝えられないこともあります。
そういったときでも、リファレンスチェックを受けることで、緊張していない普段の働きぶりを知る第三者から見た自分の魅力やアピールポイントを採用担当者に伝えることができるのは大きなメリットです。もちろん、適切な方法で行えば違法性はなく、企業と転職者双方に多くのメリットがあります。
もし、転職活動の応募時にリファレンスチェックについて聞いていなかった企業で、選考段階でリファレンスチェックを受けて欲しいと伝えられても「疑われているのだろうか」と思わず、ぜひ正しく活用してください。
前職調査(リファレンスチェック)は必ずできる?同意について確認しよう
繰り返しになりますが、リファレンスチェックは応募者の同意を得て実施することが必須条件です。そのため、求人応募する時にリファレンスチェックへの同意を条件にしている企業もあるのは先に述べたとおりです。
また、選考を行う際の採用フローに、リファレンスチェックが組み込まれているケースもあるので、求人を探す時にはしっかりチェックしておきましょう。転職者の中には、リファレンスチェックに同意することに抵抗がある方もいるかもしれません。しかし、リファレンスチェックを受けたからといって、不利になるわけではありません。リファレンスチェックがどういったものかをしっかり理解すれば、転職者にとっても求人企業にとっても、メリットが大きいものだということが分かるでしょう。
そのため、まだ誤解を与えたりネガティブなイメージを持たれることもあるリファレンスチェックが本来どういうものかを、応募者に正しく理解してもらい、選考に前向きになってもらえるように働きかけることが大切です。
リファレンスチェックがおすすめの企業・おすすめできない企業
リファレンスチェック向きの企業 | リファレンスチェックに不向きの企業 |
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SPI・適性検査やスキルチェックなどの選考を採用フローに組み込んでいる企業 | 人材選考を履歴書・職務経歴書の書類選考と面接のみで実施している企業 |
応募者にリファレンスチェックへの同意を得ることができる企業 | 検討人材にリファレンスチェックの同意を得ることが難しい企業 |
人材採用後の配置や研修プランを計画的に組み立てたい企業 | 人材採用後の配置や研修プランは採用後にOJTのみで実施したい企業 |
中小企業の前職調査(リファレンスチェック)は経歴ドットインフォで
経歴.infoは、職場の離職率改善や人材採用効率化に悩む人事担当者のために生まれたオンライン完結型のリファレンスチェックです。やみくもに転職応募者の経歴詐称を疑うのではなく、前職での働きぶりや人柄にフォーカスし、採用予定者から指名されたヒアリング先に前職調査を行うことで面接だけではわからない求人応募者の人となりを認識しやすくすることを目的としています。
「また退職者が出てしまった」「引き継ぎの後任人材が採用できない」「キャリアプランの希望と実務内容が違うと後から言われてしまった」「今回採用する人材は、長く定着してくれるだろうか…」そんなお悩みを持つ中小企業にこそ、前職調査・リファレンスチェックをおすすめします。
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