レジリエンスとは?採用・研修でも注目の適応能力・回復力の鍛え方/高める方法

中小企業の人材採用効率化を応援する経歴.infoでは、これまで人事DXや採用手法・人事評価のトレンドなどを紹介してきました。今回は、ビジネススキルとしてもいま注目のレジリエンスについて解説していきます。
コンテンツ目次
レジリエンスとは?心理学からビジネスでも注目のスキル
中途採用を行うにあたっては、ぜひレジリエンスという言葉の意味を知っておきましょう。
レジリエンスとは?
一般的にレジリエンスとは、ストレスを受けたときの精神的回復力を意味する言葉です。同様の環境に身を置いた場合に、精神的に病んでしまう人もいれば、そうでない人もいます。
このように同じストレスでも精神的に受ける影響度合いが異なるのは、人によってレジリエンスが異なっているからであると考えられています。
レジリエンスはビジネスにおいても注目されている
このレジリエンスはビジネスにおいても注目されるようになってきています。ビジネスにおいては、突然困難な状況に置かれるケースが少なくありません。そのような場合に、高い精神的回復力を有する人であれば、困難にうまく適用して乗り越えられる可能性が高いのです。
そのため、強い組織を作り上げるためには、今いる従業員のレジリエンスを高めるように努めるとともに、中途採用を行ってレジリエンスに優れた人材をなるべく多く集めるようにすると良いでしょう。
レジリエンスと仕事の負荷の関係性 ストレス耐性との違い
次に、レジリエンスが高いことが、ビジネスを行う上でどのような強みにつながるのかを見ていきましょう。
レジリエンスの高さは強みになる
ビジネスを行う上で多くの人がストレスであると感じられるのが、上司との付き合い方です。例えば、仕事がうまくいかずに上司から厳しく叱責された場合、レジリエンスが低い人であれば、気持ちが落ち込んでしまって同僚とやけ酒を飲んで憂さ晴らしをするというのが関の山です。なかには、それが原因で鬱状態になってしまう人もいるかもしれません。
それに対し、レジリエンスが高ければ、一時的に気持ちが落ち込んだとしても、すぐに立て直して、うまくいかなかったことを反省したうえで上司にアドバイスを仰いだり、叱責を糧にしてモチベーションを向上させ、次の機会には仕事で成功を収めるといったことが可能なのです。
ストレス耐性やメンタルの強さとレジリエンスの違い
このような説明を聞くと、レジリエンスというのはストレス耐性やメンタルの強さのことだと思う人がいるかもしれませんが、そうではありません。
この2つの概念は、いずれもストレスにどれくらい抵抗できるのかを意味するのに対し、レジリエンスというのはストレスを受けた後にどの程度回復できるかということであり、両者はそもそもの意味合いが異なっているのです。
レジリエンスを鍛えるには?折れない気持ちを作るレジリエンスの高め方
最後に、レジリエンスの鍛え方や高め方について見ておきましょう。
- 自分自身の感情をコントロールできるようにする・メタ認知
- 自尊感情を鍛える・自己肯定感
- 自己効力感を向上させる
- スモールステップで成功体験を積む
自分の感情をコントロールできるようにする・メタ認知
感情をコントロールできるようになると、ストレスにさらされても、うまく気持ちを立て直しやすくなります。そのためには、自分の思考の傾向を理解しておくというのが大切です。
自分の思考の傾向を客観的に分析し把握しておくと、思考のクセから自分を解放して、心の健康を保つことができるようになるでしょう。自分自身の認知を客観的に捉える、メタ認知とも関連してきます。
自尊感情を鍛える(自己肯定感)
自尊感情というのは、ありのままの自分を受け入れ、自分には価値があると感じることです。近年SNSでもよく聞かれる、自己肯定感と似たところがあります。
この自尊感情を高めるためには、自分の強みと弱みを正しく理解しておかなければなりません。例えば、人とのコミュニケーションが得意な反面、細かな作業は苦手という人であれば、そのことを自覚して事務仕事はできる限り同僚や部下に任せるようにすることで仕事のストレスに過度にさらされずに済むはずです。
自己効力感を向上させる
自己効力感というのは、困難に直面した場合に、「自分はできる」と念じて、自信を持つ力です。この自己効力感を向上させるためのもっとも手っ取り早い方法は、成功体験を積むというやり方です。
逆境を乗り越えた経験やそれによって得たものを定期的に振り返り、自分の成長を実感することで常に自信を持って振る舞えるようになるのです。
スモールステップで成功体験を積む
成功体験を積むと一口に言っても、大きな成果を成し遂げるのではなく少しずつ実現可能な目標をこなしていく、いわゆるスモールステップで成功体験を積むことが理想的です。実務経験とともに段階的に成功体験を積んでいき、ビジネスパーソンとしてのしなやかな気持ちを鍛えていきましょう。
スモールステップを軽んじてしまうと、いきなり大きな目標に向かって突き進んでしまい、困難の壁にぶつかったときに大きなストレスやダメージを感じてしまいます。そうした大きな負荷からスムーズに回復することは難しいため、少しずつ成功体験を積んでレジリエンスを高めておくことが望ましいでしょう。
社員研修・メンタルヘルス研修でレジリエンス研修も
また、従来のメンタルヘルス研修の一環としてレジリエンス研修も注目されています。既存の従業員がレジリエンスを認識していない場合や、社内のレジリエンス対策を行いたい、意識付けをしたい場合は社員研修としてプログラムに組み込むのも効果的です。
また、あくまでも打たれ強いメンタルを作るのが目的ではなく、自分の感情との向き合い方や自尊感情・自己効力感に重きを置いているため、どのような立場や性格の従業員でも対象になるのがメリットです。
研修先の例として、インソースやマイナビ研修サービス、SMBCコンサルティングやリクルートマネジメントスクールなどでレジリエンス研修が実施されています。
レジリエンス研修
研修会社インソースの「レジリエンス研修」一覧です。レジリエンス(Resilience)とは「精神的回復力」や「復元力」を意味します。困難やストレスを乗り越えるための強さや、柔軟に受け止める考え方、自らメンタルを立て直す方法を習得するための研修プログラムを、当社では豊富にご用意しております。
中途採用におけるレジリエンス評価の視点
このように、レジリエンスはビジネス上でも重要なスキルです。中途採用においては、すでに適応能力・回復力が高い、レジリエンスが強い人材なのか、またはこれからレジリエンスを高めたほうが良い人材なのかを選考時に考慮する必要があります。
面接や選考時に判断できるレジリエンスは自己PRや質疑応答が中心となるため、実際にこれまでの仕事でどのようにストレスと向き合ってきたかは汲み取りにくいところもあります。
転職時にはスキルを少なからず大げさに、いわば盛ってアピールしてしまうケースも見られますが、選考者が自身のレジリエンスを過大に伝えてしまうのは危険です。転職先で思わぬ業務過多に陥ってしまったり、人員配置や業務スケジュールに支障が出る恐れもあるためです。
そこで注目されているのが、同意を得て任意の前職関係者にヒアリングを行うリファレンスチェックです。前職の上司や同僚など、実際に選考者と業務にあたってきた人物にアンケートを実施するため、選考者本人が自覚していない強みを知ることもできます。
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リファレンスチェックは、採用担当者にとっても転職者にとってもメリットが多いポジティブなものです。
求人企業・人事担当者のリファレンスチェックのメリット
求人採用のミスマッチを減らせる
まず採用担当者にとって大きなメリットになるのが、採用ミスマッチを減らせることでしょう。採用担当者は、企業が求めている人材と応募者がマッチしているかを見抜かなければなりません。
しかし、書類選考時の履歴書や職務経歴書・ポートフォリオなどの書類と、面接の志望動機などの限られた情報だけで、それを見抜くのは難しいでしょう。そういったときにリファレンスチェックを行うことで、応募者の働きぶりを知る第三者からの評価情報を得ることができるため、企業が求める人材とマッチしているかをより正確に判断することができます。
採用効率をアップできる
また、転職活動・採用活動を効率化できるのもリファレンスチェックのメリットの一つです。多くの応募人材の中から、欲しい人材にマッチした候補者を選別するのは簡単なことではありませんし、選考が進んだ人材の受け入れ体制や育成には企業にとっても大きな負担がかかります。
採用の選考段階でリファレンスチェックを行えば、人事配置や内定を交付する前に求人像とのミスマッチを防いで業務プランを立てやすくなるので、採用活動がスムーズに進み採用担当者の負担も減ります。
転職希望者のリファレンスチェックのメリット
SPIなどの適性検査と違って、前職のことを調べられるということにはネガティブなイメージを持つ転職者もいるかもしれませんが、リファレンスチェックは転職者にも大きなメリットがあります。
まずリファレンスチェックは、転職者のネガティブな情報を集めるためではなく、あくまでも理解を深めるために行われるものです。
転職活動においては、面談・面接などで自己PRする機会がありますが、それだけでは自分の魅力が十分伝わらないこともあるでしょう。緊張してしまって、思ったように面接でこれまでの働きが伝えられないこともあります。
そういったときでも、リファレンスチェックを受けることで、緊張していない普段の働きぶりを知る第三者から見た自分の魅力やアピールポイントを採用担当者に伝えることができるのは大きなメリットです。もちろん、適切な方法で行えば違法性はなく、企業と転職者双方に多くのメリットがあります。
もし、転職活動の応募時にリファレンスチェックについて聞いていなかった企業で、選考段階でリファレンスチェックを受けて欲しいと伝えられても「疑われているのだろうか」と思わず、ぜひ正しく活用してください。
前職調査(リファレンスチェック)は必ずできる?同意について確認しよう
繰り返しになりますが、リファレンスチェックは応募者の同意を得て実施することが必須条件です。そのため、求人応募する時にリファレンスチェックへの同意を条件にしている企業もあるのは先に述べたとおりです。
また、選考を行う際の採用フローに、リファレンスチェックが組み込まれているケースもあるので、求人を探す時にはしっかりチェックしておきましょう。転職者の中には、リファレンスチェックに同意することに抵抗がある方もいるかもしれません。しかし、リファレンスチェックを受けたからといって、不利になるわけではありません。リファレンスチェックがどういったものかをしっかり理解すれば、転職者にとっても求人企業にとっても、メリットが大きいものだということが分かるでしょう。
そのため、まだ誤解を与えたりネガティブなイメージを持たれることもあるリファレンスチェックが本来どういうものかを、応募者に正しく理解してもらい、選考に前向きになってもらえるように働きかけることが大切です。
リファレンスチェックがおすすめの企業・おすすめできない企業
リファレンスチェック向きの企業 | リファレンスチェックに不向きの企業 |
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SPI・適性検査やスキルチェックなどの選考を採用フローに組み込んでいる企業 | 人材選考を履歴書・職務経歴書の書類選考と面接のみで実施している企業 |
応募者にリファレンスチェックへの同意を得ることができる企業 | 検討人材にリファレンスチェックの同意を得ることが難しい企業 |
人材採用後の配置や研修プランを計画的に組み立てたい企業 | 人材採用後の配置や研修プランは採用後にOJTのみで実施したい企業 |
中小企業の前職調査(リファレンスチェック)は経歴ドットインフォで
経歴.infoは、職場の離職率改善や人材採用効率化に悩む人事担当者のために生まれたオンライン完結型のリファレンスチェックです。やみくもに転職応募者の経歴詐称を疑うのではなく、前職での働きぶりや人柄にフォーカスし、採用予定者から指名されたヒアリング先に前職調査を行うことで面接だけではわからない求人応募者の人となりを認識しやすくすることを目的としています。
「また退職者が出てしまった」「引き継ぎの後任人材が採用できない」「キャリアプランの希望と実務内容が違うと後から言われてしまった」「今回採用する人材は、長く定着してくれるだろうか…」そんなお悩みを持つ中小企業にこそ、前職調査・リファレンスチェックをおすすめします。
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